2013年6月30日日曜日

2013最初の小川山 & 海への道 #1 から、瑞牆ボルダー

おがわやまに行く。そう決めたのはいつのことだっただろう?

記録を見返してみると、障子岩で《お局様》をRPして小川山シーズンの開始を宣言したのは5月の末だった。そのあと仕事とか天気とかでタイミングが合わず、6月末になってようやく今年初めての小川山。

いつものパートナー松氏の都合が付かず、ソロで行く予定を立てていたところへ、天気予報の変化を見たsghr師が便乗宣言。さらにそれを見たmrkmくん改め新撰組も便乗宣言。3人で楽しく小川山に向かう予定が、sghr師がまさかのget up late。結局、新撰組と2人。

中央道の事故による通行止めによりいつもより1時間ほど時間がかかり、9時過ぎに廻り目平着。

向かった先は左岸スラブ。この日の目標は、昨年宿題にしてしまった《ジャーマンスープレックス》(5.10c)のRP。

足慣らしのため、まずは、左岸スラブの奥の方、《春の戻り雪》の取り付き一歩手前から右に入ったところへ。



《ビスタの夏休み》5.9

マスターOS。これは面白い。スメアリングのスラブ。ほぼノーハンドで進むセクションなんてのもあって、スラブの面白さを味わえた。最後のランナウトもあり、グレードにもかかわらず、小川山のスラブの魅力が詰まっている。


《往年の乱》(5.10b)

オンサイトトライはルートファインディングを誤って失敗。フットホールドを追いかけていたら《ビスタの夏休み》に寄りすぎてしまった。ロワー中にムーブを確認したら、ボルト沿いに直上できた。たぶん、岩の弱点じゃなくてボルトに忠実に登るのが正解。次の便でRP。件の直上部分は、ボルトの上で、右手はほぼ何もなし、左手は親指一本でプッシュで、右足を微妙なへこみにハイステップで立ちこんで、左足を左手付近の何もないところに上げるという緊張感たっぷりなムーブを要求されて楽しい。


《走れメロス》(5.10a)B&NP

《往年の乱》のロワー時に上部のクラックの幅を覗き見て、キャメ3番までを抱えてトライ開始。1本目と2本目のボルトの間にキャメ2。上部クラックでキャメ1(だっけ?)とマスターカム6。これもほぼノーハンドのスメアがあって楽しい。

この3本はどれも楽しい。ちなみに、終了点はボルトハンガー×2にリング。回収時は結び変えが必要です。

新撰組はというと、初めてのスラブにもかかわらず、《ビスタの夏休み》をいきなりリード。すばらしいモチベーション。1テンでトップアウト。RPトライはせずに、《往年の乱》へ。直上ムーブをこなせず心折れてました。しかし才能はあるね。なにしろ、ボルトより上のスラブであれだけドッカンドッカン落ちれる奴はそうはいまい

3本登った後に《ジャーマンスープレックス》を見に行ったら案の定先客がおり、時間がかかりそうだったのでパス。順番待ち核心を乗り越えるのは難しい。しょうがないので、ボルダーへ。

その前にソフトクリーム

クラッシュパッドを抱えて歩き始めたところで、。この時点で1時頃。

しばらく待ったものの、雨が止む気配はないので、雨でも登れる木の下のボルダーを登り始める。下のキャンプサイトの黒豆岩。課題は3つ。左が2級のマントル、真ん中が1級のマントル、右が2級のマントル。

黒豆岩


黒豆岩の右(2級)

フットホールドが小さい。スタートは、右手はリップ上、左手は下の水平カチ。結構苦労したけど、スタートの右手の親指がかかる浅いポケットを発見して、左手の1手目で浅い段差に親指がかかることを発見したら登れた。その後4回くらいやって、確実に登れた。


黒豆岩の左(2級)

こちらは両手リップ上からスタート。リップ上には段差もポケットもなし。フットホールドは大きい。何もないリップを押さえて、強引に左手を奥に出して、これまた何もないふくらみを叩いて、左足を一段上に動かしたら、登れた。

マントルはリップ上のわずかな凹凸をうまく使うことが必要で、数センチのフットホールドの違いも大きく影響するようだ。

真ん中の黒豆(1級)はおあずけ。新撰組は、土砂降り寸前、岩が濡れ始めた時に右の2級を完登。土砂降りの中を車に逃げ戻った

この段階で3時。乾くのを待つような時間ではなく、新撰組は瑞牆に行ったことがないということで、瑞牆ボルダーへ移動。瑞牆はボルダーエリアの一歩手前から路面が濡れていた。とりあえず、皇帝岩で登る。

まずは、100岩11番の4級。スタートからフットホールドが全然なくて、ちょっとしたへこみにスメア。薄いフレークをラップで持って、足を踏み替えて、右手でデッド。と書いている通り、激ムズ。体感3級。

次は、シットスタートだと《皇帝》になるところの上部マントルだけ、14番の5級。これは激ムズ。必死のアザラシマントルを繰り出してなんとか完登。体感3級。

それから、《ロイヤルポケット》(5級)。これまたフットホールドがなくて、微妙なへこみにスメア。持ちづらい左手のポケットとほぼ持てない右手の浅いポケットで、強引に右足を上げて、次のポケットへデッド。これが取れたら終わり。体感3級。

最後は《鏡》6級。めちゃ高い。その上、上部核心で、ハイステップでの薄いダイクへの立ち込みが要求され、しかもその後の右手が甘いスローパー。そこから一踏ん張りして左手のガバポケットが取れたら終わり。これは難しい。体感3級。メンタル的には2段。新撰組が反対側でマットを使っていたのでノーマットで登り始めたら、居合わせたクライマーさんがマットを敷いてくれた。クライマーって優しいですね。

と言ったところで、5時半頃かな?雷鳴が轟き雨も降り始めたので、撤収。雨の中車に逃げ戻って、本当に終了。


○海への道 #1

ボルダーの目標として、《豊の海》と《静かの海》を登ることにした。どちらもマントルが難しそう。最近はボルダリングをやってないので、マントリング技術の習得が課題。

今回、まずは2級のマントルを登れて、海への道の第一歩を踏み出したといったところ。あと4グレード。

2013年6月24日月曜日

サイファー・パンツの研究

Moonのサイファーというズボン。左右のポケットのふたがぴらぴらしててとってもオシャレ。


でも、ハーネスを履くとポケットは使えないから全然意味なし。

ズボンはシンプルなのがいちばん。verveのベリコパンツで決まり。


以上

2013年6月18日火曜日

サイファーの研究

久しぶりにインドアトレ。記録をみると、半月ぶりか。中指の調子が良かったので久しぶりに登ってみた。

取り組んだのは、過去に2日ほどトライして登れなかったサイファー・ムーブの課題。サイファー・ムーブ、苦手です。


サイファーの研究

サイファーと言えばBen Moon。



あと、たまたま見つけた永田乃由季さんの5.10の動画。



動画でサイファーの研究をしようと思ったんだけど、なかなか見つからないんですよね。出てくるのはサイファーと名付けられたズボンの情報ばかり。あとはこれくらい。




サイファーを使う条件

足が切れるくらいに遠いホールドを取りに行く時に跳ぶのがランジ。サイファーも足が切れるときにつかうからランジの一種で、1つ目の条件は、取りに行くホールドが遠くて、足が切れること。

ランジの時、普通は出す手と同じ側の足で踏み切る。右手で次のホールドに飛びつくなら、右足でフットホールドを蹴って跳ぶ。ところがサイファーの時は、そうではなくて、右手で次のホールドに飛びつくときに左足で蹴る。これはなぜかと言うと、sghr師によると、足が深くて右足では蹴る力が生まれないから。ということで、サイファーの条件の2つ目は、発射の時のフットホールドが深い位置にあること。3つ目は、出す手と逆の位置にあること。つまり、右手を出すなら、左側にフットホールドがある。

さらに、足が深くても出す手と逆の残す手のホールドが良ければキャンパ気味に飛べば良いので、出す手と同じ足で跳ぶことが可能。だから、サイファーの条件の4つ目は、残す手のホールドが悪いこと。小さいとか、スローピーとか、方向が悪いとか。実際、Moonのサイファーでは、右手はクソ悪いスローパー。あれがガバならキャンパでいいからサイファーは不要。

以上の通り、サイファーが要求されるのは、以下の条件が全て満たされる場合となる。

1. 次に取るホールドが遠くて足が切れる
2. フットホールドが深い位置にある
3. フットホールドが次に取るホールドと逆の位置にある
4. 残す手のホールドが悪い


サイファーの留意点

以上の条件の元で、出す手を同じ側の足を蹴り上げて発射するのがサイファー。で、なぜ蹴り上げるの?

足を蹴り上げてその勢いで跳ぶという人がいるんだけど、これがなかなか難しい。よく考えたら、足の蹴り上げでは人間の身体は浮かない。僕の体重は65キロで、足の重さはせいぜい20キロくらい?20キロの物体を振り回しても、65キロの物体が吹っ飛ぶなんてことはない。試しに片足で立って反対の足を蹴り上げてみても、身体は浮かない。もちろん、足をマッハのスピードで蹴り上げる筋力があればどこまででも吹っ飛ぶだろうけど、そんなのは僕には無理。あと、手で引き上げる力を加えれば足の蹴り上げで跳ぶことは可能だろうけど、サイファーの条件4で確認した通り、ホールドは悪いのでそれは期待出来ない。となると、サイファーで跳ぶ力を生み出すのは、蹴り上げる足でもなく、腕でもなく、フットホールドを蹴る方の足。右手を出して右足を蹴り上げるとしたら、左足。

じゃあなんで出す手の側の足を蹴り上げるのか?

これはケース・バイ・ケースでいろいろありそうなんだけど、跳ぶ力がフットホールドを蹴る足で生み出されることを考えると、一般的にはフットホールドを蹴る力を効率的に生み出すためと考えるのが妥当でしょう。

まず、Moonのサイファーは、左足をたいして蹴り上げていなくてぶらぶらさせてるだけ。これは、右足でわずかにと跳ぶための体勢を作っているだけではないだろうか。

永田さんの場合、思いっきり蹴り上げて大きく跳んでいる。でも、この蹴り上げであれだけ身体が跳ばされることはあり得なくて、跳ぶ力は左足で生み出されているはず。右足は何のためにあるかと言うと、蹴り上げることではなく、むしろ、蹴り上げる前に左に振って左足に貯めを作ることに意味があるのではないか。プライオメトリクスね。

そう考えると、発射の体勢を作れて、跳ぶ力を増幅する貯めをつくれれば、なにも足を蹴り上げることが唯一の方法ではないことも分かる。三つ目の動画は全身を振ることでこの2つの目標を達成してる。で、それができるのは、フットホールドが深くなくて、手のホールドが良い場合に限られるので、サイファーの条件を満たしません。この課題はたぶん普通に左足で跳べる。


結論

とまあ、ぐだぐだと考えてみたんですけど、結局分かったことは何かと言うと、大きく跳ぶサイファーでは、蹴り上げることより、その前に反対に振ることの方が重要ってことです。え?ごちゃごちゃ考えるより何も考えずに1000回跳んでコツを掴んだ方が良いって?おっしゃる通り。

小川山でスラブを登りたいけどいつまで立ったも行けないので、腹いせに書いてるのですよ。次回はサイファー・パンツの研究でもやります。

2013年6月14日金曜日

岩と雪 No.134〜不動沢開拓記〜

"私たちは、この地を登りまくり荒らしまくった責任を取る意味で
地域研究の結果を公開し、不動沢の未来を
力と良識あるクライマーに委ねようと思う"

岩と雪#134

ロクスノ60号に再掲された不動沢上流エリアのトポに触れて、岩と雪134号に掲載された不動沢開拓記を再度読んでみた。胸アツだね。コズミック・サーフィン2Pはぜひともオンサイトトライを敢行したいところ。どうですか、松氏?

しかし、僕には理解できないこともいろいろ。

"この岩場に目標を確立した私たちは、目を輝かせながら、
春が来るのを指折り数えたものだった。
しかし、その前にやっておく仕事があった。
ここを登るための同人組織を作ることであり、 
友達くらぶが、冬の間に結成された"

この頃の開拓クライマー達の間では岩場の開拓に際してチームを結成するのが一般的だったようで、JECCとか、JMCCとか、イカロスとか、ハングドッガーズとか、チームRPとか。そのなかで僕がもっともネーミングセンスが光ると思うのが、ザ・テンションプリーズ。この気の抜けた感じがたまらない。今の開拓クライマーの人たちってこういうチームを作ることはないような気がするんだけど、当時はなぜ?

もう1つ。

"…不動沢の主だったクラックはおおかた登り尽くされた感があった。  
…次なる課題は何か。私は考えた。 
それは、もっとも完成されたスタイル、つまりロープ何で登ることであると。
…かつては青ざめて見上げたクラックが次々にソロで登られていった"

フリーソロが最上のスタイルっていう感性はどこから来るものなんだろう?

"不動沢の魅力は岩ばかりではない。
ここを訪ねるクライマーは岩登りと共に、
周囲の自然を楽しむ心の余裕を持った方がいいだろう。
そうすれば、不動沢での休日は、
貴方の心に豊かな思い出を残してくれること請け合いである"

一刻も早く力と良識を身につけて不動沢でのクライミングを体験してみたいものだ。

この他にも、平山裕示インタビュー、吉田和正さんのMARS初登記、クロニクルにはおむすび山スラブの《リメンブランス》、《ジェイコブズ・ラダー》の初登記録など、盛りだくさん。岩と雪って面白いね。

あ、表紙裏のスポルティバの広告では、MEGAが通産省のグッドデザイン賞を受賞したことが高々と謳われていた。通産省、なんでもありだな。

2013年6月9日日曜日

2度目の瑞牆ボルダー

土曜日小川山を延期して、日曜日に(攀じるのは)2度目の瑞牆ボルダー・ノーマットの旅。

いや別にノーマットにこだわりもポリシーも全くないんだけど、ノーマットでしか登れないシチュエーションってあるじゃないですか。例えば、河原を散歩してたらたまたま魅力的なボルダーを発見しちゃって、その時たまたまクライミングシューズを持ってた場合とか。その時にノーマットで登っても大丈夫かを判断するためには、ノーマット・ボルダリングの経験がないといけないだろってことで、この日は基本ノーマット。でもこだわりはないから、マットが敷かれていたらありがたく使わせていただく。

まずは四ノ谷から。

ガリガリ岩の右手の岩の100岩No.16のマントル(8級)。これは悪いよ。体感3級。

その隣のNo.15のマントル(7級)。これは悪いよ。体感3級。

その隣のNo.14のマントル(8級)。これは悪いよ。体感3級。瑞牆って厳しいところなんですね。

マントル3連発

右のNo.18のスラブ(10級)。これは大丈夫だった。

10級のスラブ

その左のNo.17のカンテ(5級)。これは悪い。体感3級。

No.20のカンテ(5級)。これはめちゃムズイ。体感3級。

カンテ5級

ここまで基本はノーマット。ただ、時々心優しいフランス人がマットを置いてくれたのでマットあり。

ここからちょっと上の方の材木岩のNo.13のスラブ(5級)に狙いを定めた。が、完全に自然に帰っている。仕方ないのでお掃除から。で、フットホールドと言えなくもない凹みをいくつか発掘したところで、トライ開始。しかし、この課題は2mほどの高さの狭い岩のテラスの上からスタートする。テラスの下は尖った木の枝が多数。従って、一度発射すると、あとは僕に与えられるのはオンサイトか死かの二者択一。冷静に戦略的撤退

材木岩のスラブ5級

仕方ないので、左のNo.10のリップマントル(2級)。これはエグイ。見ての通り、すっぱり切れたルーフの上のマントル。しかもホールドはどれも甘い。数トライしてド敗退。これはムズイよ。

材木岩のマントル2級

それから、話題の《発射台》を見学。《発射台》は2級。課題の傾向としては先ほど敗退したNo.10と同じ。それをあの発射台の上でやると考えると...もちろん触りもせず。といって何もせずに帰るわけにはいかないので、隣の《洞門クラック(手前抜け)》(4級)をトライ。チムニーですね。めちゃ高い。リップの様子が不明。ムーブも不明。スタートから早速心が折れて、《洞門クラック(奥抜け)》(8級)を完登。

さらに奥の《裂けた青空》(初段)を見学。これはめちゃカッコいい。しかし、今の僕の手に負える課題ではないので、パス。かといって何もせずに帰るわけにはいかないから、左の苔むしたNo.33のスラブ(5級)を一撃。

裂けた青空(の左のスラブ)

帰りにもう一度《発射台》の前を通ったので、こんどは本当に《洞門クラック(手前抜け)》(4級)を完登。リップがガバで本当に良かった。これはめちゃ楽しい課題。全てのボルダラーにお勧めしたい。

洞門クラック

最後は《ガリガリトラバース》(2級)を3トライしてド敗退で、午前の部は終了。

あ、そうそう。瑞牆ボルダーは課題が岩を贅沢に使って設定されてるのが良いですね。ブランクセクションを使っていろいろ楽しめそう。No.18の10級のスラブの右の隣の岩との間のプチルーフ。掃除したらダイナミックなムーブのクラックをお手軽に楽しめそう。この日はテーピングを持って行かなかったので、次回はぜひやりたい。

隙間

ここでお昼休憩。瑞牆ボルダーのお昼の正解ムーブはみずがき山荘という情報をスイーツ男子ボルダラーSENさんのブログの48さんとデートの巻から得ていたので、ムーブを完パク。フレンチトーストがめちゃうまかった。ちなみに、フレンチトーストはフランスではその由来から"忘れられたパン"とよばれているらしい。

みずがき山荘のフレンチトースト

午後の部は三ノ谷。

桃岩の《桃源》はマットが幾重にも敷かれていて快適。右抜け(6級)は一撃。左抜け(5級)は、見えない一本指ポケットに指先を引っかける小川山の《三日月ハング》的な課題。ちょっと苦労して完登。

左の《桃の花》は敗退。スタートのカチが湿っぽい。気温も高くて全般的にコンディションはよろしくなかった。

夜岩の《スーパークーロワール》(7級)は一撃。これは楽しい。

次はお隣の《夜を待ちながら》(2級)。綺麗なスラブのこの課題に、グラウンドアップ、ノースポット、ノーマット、地面に露出した岩を覆う最低限のクロックス(1足)という、この状況で考えられる最高のスタイルで挑む。が、実力及ばず敗退。

No.15のクラック(10級)は快適。

といったところで、一本桜岩へ移動。ここで僕は焦っていた。というのも、《桃の花》と《夜を待ちながら》で敗退した今、この段階で最大の成果は《洞門クラック(手前抜け)》(4級)。これではさすがに寂しい。何としても3級を、できれば2級を登って帰りたい。その最後のチャンスが、一本桜岩の《一本桜》(3級SD)と《桜餅》(2級)なのだ。背水の陣で向かったさきに現れたのは、苔に覆われ完全に自然に帰った小さな岩だった。リップには木まで生えている。これはまずい。しかし僕にはもうこれしか選択肢はない。意を決して靴を履いたところで、左の方の岩に人影を発見。行ってみると、こちらが本物の一本桜岩であった。手頃な大きさのキレイなフェース。よかったー。

No.5の5級は一撃。《一本桜》(3級SD)は数トライして、困難を感じたので後回し。《桜餅》(2級)をトライ。3トライほどで、マントルのテストピースというこの課題をいと醜いアザラシ・マントルで完登。成果を残すことに成功。《一本桜》はやってる人が多かったので、この後は触らずさようなら。

撤収も見えてきて、なんだかゆったりとした時間が流れ始めたので、前回2回登った《瑞牆レイバック》(5級)に向かった。高さのある美しいこの課題に、グラウンドアップ、ノースポット、ノーマット、地面に露出した岩を覆う最低限のクロックス(1足)という、この状況で考えられる最高の(以下省略)。多少緊張しながら、1手、2手と出したところで、心優しいフランス人がマットを置いてくれた。よかったー。これをノーマットで登るなんて、狂気の沙汰ですよ。無事完登。

最後は上の方を見学して、エレスアクベの《インタシン》(3級)が面白そうだったのでトライ。高さのあるスラブ。数トライして、リップ手前まで到達したものの、足運びがうまく行ってなくて怖くなってクライム・ダウン。敗退。

インタシン

ここで終了。いっぱい登った〜。

帰りは大月から20号、上野原から県道33号で檜原村へ。これは小川山・瑞牆帰りの正解ムーブかもしれない。

2013年6月6日木曜日

Rock & Snow No.60

年間購読が切れていて乗り遅れたと思ってたけど家に着いたら届いていたロクスノ60号。


表紙はスペインのシウラナでEstado Criticoをオンサイトしたアレクサンダー・メゴス。その足下には、TENAYAのInti(通称カエルちゃん)。世界初の9aオンサイトの勢いに乗ってTENAYAも攻勢に出ている様子。7月上旬には新しいシューズも発売予定だそうな。目白ではあの人のセールストークが炸裂していることでしょう。お気に入りのTENAYAの靴が日本でも手に入りやすくなるならうれしいね。ま、僕はもうIntiを4足持ってるからしばらくは買う必要はないけどね。Evolveに電撃移籍!なんてことにならないことを祈る。インタビューも掲載。中嶋君のスタイルに興味があると言ってる。中嶋君、世界から注目されてるんだね。杉野さんの連載"Rock Giants"のギュリッヒと合わせて、面白い。

メゴスのコーチらによるトレーニングDVDの制作が進んでいるようで、注目。



詳細は、こちらこちら。いや〜、メリッサめちゃかわいいね。ピンクが似合う。ノーベル・ピンク賞をあげたい



「特集・五段の世界」は、天の上のお話なので、全く理解不能。でも中嶋君のアサギマダラは、いいね。上部の苔スラブ、僕には無理。フォンテーヌ・ブローはいつか行ってみたい。子供を連れて行って一緒に楽しめるのがいい。

「特集・ホールディングを考える」は、今回の一番の注目記事。

内容はマニアック過ぎて理解不能。用語の定義から調べないと。姿勢の重要性、sghr師がいつも言ってる背中の重要性、小指の重要性といったことが問題のような印象。追い追いゆっくり読み解くつもり。

satomixさんのハッパマシンガンもいい。こういう素敵な文章を僕もブログに書けるようになりたいと一瞬思ったけど、それは一生無理だね。持ってる品性が違う、きっと。「パキリ防止・指の強化につながる指の筋膜ストレッチ」はちょっと前から話題のネタだけど、こういう話のメカニズムと正当性を加藤先生に検証・解説してもらうのが、権威ある雑誌の役割ではなかろうか?

インドで登るベルント・ツァンガールの写真の加工がやり過ぎで、もはやアニメ。

クロニクルには、東吾野の「阿寺の岩場」。これなんて読むの?あでら?あじ?このあたりの岩場が公開されるのは久しぶりではないだろうか。グレードは低く、5.9までが大半。今のところの最難は5.11a。しかし、そのお隣には公開プロジェクト。Jack中根と北山真が放棄したチャートのスラブってどんなもんなんだ?見に行きたい。

室井登喜男さんのアクセス問題とは何か「誰が夜を殺すのか」は、いい。まったくもって同感。これはとても大事なことだと思う。

「すべてのギアおたくに贈るこんなの買ってしまいました」はペツルのスピリット・エクスプレス。前回に続き、話題のメジャーなギアじゃないか。何度でも言おう。僕が期待しているのは、「ホームセンターで手に入る使えるギア」クラスのマニアネタなんですよ。

「瑞牆山不動沢上流エリア・摩天岩、弁天岩、矢立岩」のトポ再録。いつかこういうエリアで登れるようになりたい。岩と雪に掲載されていた中島岳志さんと清水博さんの不動沢開拓記はめちゃ面白かった。

DVDレビューには、山関係初と思われるアニメ作品が。これにはsghr師も注目?

他にも盛りだくさん


第21回ピオレドール
ナンバHIPSカップで田嶋あいかが優勝
中原栄が備中でSakae Line(5.14d/15a)初登
iOS「日本100岩場」発売
特集 五段の世界
 中嶋徹 The Big Islandとアサギマダラ
 中嶋徹 フォンテーヌ・ブローの8課題
特集 ホールディングを考える
 加藤勝行 指の運動学的知見 
 倉上慶太、小林純也 効率の良いホールディングとは
 矢崎慎一 変わったホールディング
 原田裕介 体と指の使い方
 satomix/鈴木智美 ホールディングを工夫する楽しさ
 長尾基史 ハイドラのホールディング
 satomix/鈴木智美 パキリ防止・指の強化につながる指の筋膜ストレッチ
ALEXANDER MEGOS「第三の男」
ALEXANDER MEGOSインタビュー 千葉和浩
狼の牙 南極の鋭峰、ウルヴェタナ北東稜初登攀 レオ・ホールディングら 文=池田常道
インド最果ての村でボルダー ベルント・ツァンガール
カタルーニャ、マルガレフとシウラナ 平山ユージと安間サチ
アメリカのレッドロックすでボルダリング 茂垣敬太
クロニクル
 錫杖岳前衛壁「深夜特急」開拓 今井健司
 東吾野「阿寺の岩場」 森下健七郎
アクセス問題とは何か 「誰が夜を殺すのか」 室井登喜男
すべてのギアおたくに贈るこんなの買ってしまいました PETZLスピリット・エクスプレスとDMMアルファ・スポート・クイックドロー 佐原晴人
たまにはマルチでも登ってみようか 第1回 小川山・屋根岩3峰 レモンルート/RCC神奈川ルート 
東秀樹のクライミングラボ メンテナンスの話し(その1)
欧州情報局通信 第26回 たかがアクセス、されどアクセス
プロが進めるスタンダード技術 第6回 リードの指導 菊池敏之
クライミングのためのフィジカル・トレーニング 「ストレッチポール・リセットコンディショニング」 千葉啓史
Jack中根のクライミング道場 第21回 クロスムーブの真実
ON THE SCENE エベレスト"リンチ事件"の顛末
アーフェルス渓谷、ブリュッケンケルツェ氷瀑 アレクサンダー=ルガー
クライミング用具大全 第10回 ホールド
松島暁人の5.12aでは落ちられない その13芹谷屏風岩「デッドライン」5.12b/c
Rock Giants 2 ヴォルフガング・ギュリッヒ 杉野保
瑞牆山 不動沢上流エリア 魔天岩、弁天岩、矢立岩



2013年6月5日水曜日

北山真『フリークライミング』

北山真『フリークライミング』(山と渓谷社、1996年)



クリーム色の本の前身にあたるのだろうか?

内容自体はとても古くさく、見るべきものはない。あえて言えば、開拓話くらいか。

その古くささと言ったら、ランジのを成功させる鍵は「"なにがなんでもあのホールドをつかむんだ"という気迫」だと言うくらい古くさい。

この本の面白いところは、すべての頁の下部にちょっとしたコラムが書かれているという構成。そこに、草野俊達さんとか、柘植求さんとか、杉野保さんとかのコメントも載せられていて、コレが大変面白い。

この部分を読むためだけでも手に取る価値がある。

2013年6月3日月曜日

自作プリクリスティック(の先端部)

長いこと某所で限定公開していたプリクリスティック(の先端部)の紹介。




いろんな岩場に行くようになって、初登時にプリクリで登られたプリクリ推奨ルートの存在に触れて、自作してみた。

制作費は100円くらい。岩場に落ちてる木の棒に付けて使うから棒を持ち歩かなくていいのが利点。僕はこれまで、前腕ハム化マシーンとか、浅瀬のボルダーの登攀可能性を開くフローティング式クラッシュパッドとか、本物の花崗岩を使ったスラブの人工壁とか、いろんな浅はかなことをかんがえてきたんだけど、このプリクリスティック(の先端部)が唯一実用化されたアイテム。

プリクリについては賛否両論あるようだが、個人的にはこれまでプリクリ推奨ルート以外でプリクリで登ることには否定的だった(注1)。なぜなら、リードでレッドポイントするのを完登と考えるルールの下でクライミングというゲームをやってるんだから(注2)。しかし最近、ツイッターでプリクリ擁護論を目にして、考えさせられた。曰く、

岩場で事故を起こすとその岩場が登攀禁止になってしまうおそれがある。事故を防止するためにはプリクリは必要だ。

事故で失われた岩場のことを考えると、確かにそうだなーと思った。

それから、山で危険なことをやってる人にプリクリ容認派が多いのはなぜだ?という前から抱いていた疑問への答えも示されていた。

危ないことは山でやれ。スポルト・クライミングの岩場ではやるな。

これも一つの見識として概ね納得(注3)。

しかし、それでも僕はリードでのレッドポイントをもって完登とするゲームのルールにこだわりたい。なぜなら、そのルールを放棄する前にできることはまだたくさんあると思うから。

たとえば、


  • 頭を打っても死なないように、ヘルメットをかぶる
  • 落ちても事故にならないように、ボルダリングの経験を積んで着地の技術を身につける
  • クリップする前に落ちないように、クライミングの能力を上げる
  • 初見で1本目のボルトに到達できなさそうだったら、リハーサルする(注4)
  • リハーサルしても確実に1本目のボルトに到達する自信がないのであれば、実力がつくまで登らない


プリクリで登って完登とみなすのは、最後の手段。

と言いつつ、近いうちに挑戦することになるであろう秋葉大権現では早々に最終手段を発動する気まんまん。先日秋葉大権現をトライされていた方はプリクリのヌンチャクは2枚がけにしておられて、見習おうと思いました。

ともあれ、いろいろ考える機会を与えていただいた池田さんには感謝。

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(注1) ちなみに、僕がプリクリを認めないのはあくまで自分の話し。他人がプリクリで登ることを完登とみなすことを否定するつもりはない。ただし、順番待ちしてる人がいるのにプリクリするのに手間取って長い時間をかけててしかもそれがルート全体の難易度からすると全く難しくないセクションだったりすると、やめて欲しいと思うことはある。いや、あった。プリクリするならプリクリ技術は磨いて欲しい。

(注2) しかし、そもそもなぜリードなのかは自明のことではないとも、最近思う。登ることだけが目的なら、トップロープでもいいんじゃない?リードするのはトップロープより楽だからでしょ?垂壁はトップロープでよくない?という宗旨がえをする日も訪れるかも。なんてことを、この前、スペインの前傾壁を登るクリス・シャーマのDVDを見てて思った。

(注3)細かな点では釈然としないところもある。危険なことをしてはいけないんだったら(1)2本目のたぐり落ちの方が危険だから、2本目までプリクリしないといけないんじゃない?(2)ヌンチャクの脱落防止のためにマイロンを使うべきじゃない?(3)ヌンチャクからロープが外れるのを防止するためにヌンチャクは環付きのビナにすべきじゃない?とまあ、いろいろ疑問はあるんだがこのあたりは将来の課題だろうってことで、概ね納得。

(注4) プリクリでのリハーサルは容認。最終的にプリクリなしでRPするのが目下のところの僕のルール。ただ、下から上までトップロープでのリハーサルはしたくない。これはリードの面白さと完登の嬉しさをスポイルする。

(登るのは)初めての十里木ボルダー

もう3回目だけど登るのは初めての十里木ボルダー。と、新人歓迎BBQ。


週はじめからの悲惨な天気予報をものともせず、絶好の外岩日和

登ったのは、右の5級《毒ガス》(3級)、《十里木ジャンプ》




《十里木ジャンプ》は振られ止めに左のカンテを使わないバージョンとか、左抜けバージョンとか、右抜けバージョンとか、いろいろ登って楽しかった。

苦手のランジがちょっとだけできるようになった。

それから、《深呼吸》(1級)。

スタートから右手を出して、逆足で左のカチに発射するムーブを採用。これが悪かった。どうにかこうにか完登。これはうれしい。

あれ?昼寝してる間にBBQは終わってぞ。