2014年11月6日木曜日

クライミングジャーナル #42

うん、面白い、クライミングジャーナル42号(1989年)。


氷川屛風岩
ショットガン(5.12a/b)1989年3月19日、松島晃、加藤博、東郷孝志(ザ・テンションプリーズ)
「アプローチが核心といわれている氷川屛風岩に、宮内庁御推薦の全く楽しいルートを作りました。」左のフレークを使って、上部ハングの左を抜けるライン。4本のボルト中1本目はプリクリ。
ついに宮内庁御推薦ルートまで登場。一度だけ取り付いて、カッチカチの厳しさに心折れて帰って来たルート。ロケーションは最高。宮内庁御推薦とあらば、登らないわけにはいかないでしょう。
前に行ったときは左に行くのか右に行くのかよく分からず帰ってきたけど、左フレークにいくことが確認できた。そして、大岩さんの『フリー・クライミング 入門とガイド』が今なおもっとも信頼に値するトポであることを再確認した。
・デリンジャー(5.12a/b)
同じスタートから、低脂肪の終了点に抜けるライン。

○クライミングのグレードについて
グレードとは後の世代に伝えるものである以上、変化してしかるべきものだ。今までの風潮として初登者に敬意を表するあまりその後のことはないがしろにされてきたが、それではフリークライミングという文化は発展しないと私は思う。・・・グレードが一つや二つ変えられた所でそのルートを初登したことには変わらない。初登者の方々はそのくらい寛大な気持ちでいてもらいたい。」(菊池敏之)
「活字になっているグレードも他のクライマーのグレードも、自らのグレーディング能力を高めるために利用する(つまり、それを無条件に信じないこと)。これは、クライミングテクニックの向上、そしてスタイルを洗練させていく過程と並行する。・・・しかし、実際は活字になったグレードを盲信し、自己評価することを放棄し、数字の上だけでグレードを追い求めるクライマーが多い。他人の評価にすべてをゆだねる日本人。独善的ではない個人の確立は日本人には難しいのだろうか。そもそもクライミングという遊びの根底にある個人の確立こそが最も望まれる。」(森正弘)
活字になったグレードを盲信するのは、25年前から変わらぬ現象なんですね。例えば、御岳の《デッドエンド》を、トーフックをかけたままポケットをとるリーチムーブで登って、「1級」と書いてしまったり。反省します。

その他にも内容はもりだくさん。

小川山が登攀禁止の危機
岩場付近の木が多量に切られている、ゴミ、岩茸が落とされ美観を損なう、など。岩茸にまみれて命を削った経験を数度持つ僕ですが、岩茸のついた岩が美しいという美的センスは分かりません。


○連載エッセイ(1)フリークライミングの履歴書 山本譲 ムーンライト・エプロン
宴会の最中に登られた王子が岳・ムーンライト・エプロンの生い立ち。とても良い話だ。


○行者岩が登攀禁止
ご神体にボルトを打った。

○城ヶ崎
ファミリーエリア、フライング・チャイルド(5.11)。野口浩三。

○湯河原幕岩
茅ヶ崎ロック、とけいわに(7m、5.10c)。

○リトル比良クライミング・エリア
100度以上の前傾ハンドクラック《グランドファンタジー》がすごそう。こんなエリアが奥多摩にもあったら良いのに...

○北岳バットレス・オールガイド

○ミニ遠征プラン
北海道、函館山南壁(岩雪128)、赤岩青岩峡(岩雪128)、神居岩(岩雪113、119、121)、チャラツナイの岩場(CJ26)。秋田、三崎海岸(CJ30、岩雪132)。北アルプス、剣岳、笠ヶ岳・穴毛谷、甲斐駒ヶ岳・赤岩沢・Aフランケ。ドロミテ、コロラド、北フランケンユーラ、ヨセミテ、トゥラミメドウズ、レイク・タホ。

○北イタリア・メロー渓谷

○常磐橋の岩場の補修工事終わる

○西ドイツ初のコンペがミュンヘンで

○記録
甲斐駒・南坊主岩東壁、南坊主岩下部同志会ルート(冬期第2登)、南坊主岩東壁「NO PROBLEM」(冬期第2登)、北アルプス・明神岳・P2263壁・マイナースラブ冬期初登。

○キム・キャリガン・インタビュー

0 件のコメント:

コメントを投稿