2014年12月31日水曜日

2014年のまとめ


2014年も、たくさんの印象に残るルートを登ることができました。本当にたくさんの素晴らしいルートに出会えて、これが一番とは決められませんが、その中でも特に印象に残ったのが以下の3つ。

《パズル》オンサイト
金峰渓谷の奥の奥で、もびさん&ポキさんにジャンケンで勝利してのオンサイトトライ。持っている技術と体力と気力を出し切って初見でルートを登ることの楽しさを知ってしまったかもしれない。クライミングへの取り組み方が大きく変わりそう、そんな濃密な一日でした。

《ウラヌス》完登
短い中に僕の苦手要素を全て詰め込んだ様な課題。苦手を克服して岩の上に立つ過程が楽しかった。そして、誰もいない岩場で一人で岩と向き合う静かな時間を得ることができたことも、豊かな体験だった。

《スーパームーン》成功


何と言ってもこれ。はじめてのトラッド・ルートの初登。これまで僕は冗談みたいなボルダー課題はいくつも掃除して登ってきましたけど、トラッド・ルートははじめて。自分で見つけたラインに自分のムーブを思い描くことの楽しさは格別です。それが多くの人は関心を示さないであろう変なルートだったことも、また良い。

僕はTomさんのこの言葉を信じている。

There's a method behind the madness you see. Some of the best opportunities in life are taken when the crowd are looking the other way. When people think there's not room for movement - "crack climbing is dead, every hold is a rest" - then if you look a little deeper, you'll see there's a whole other world out there waiting to be explored. I suppose we did some of that with the offwidth climbing and now after a year of thin cracks we've seen the other end of the possibilities too.

それでは、2014年の目標達成度の査定です。


○ボルダリング
・初段を2本 ⇒《色即是空》一本のみで、未完
・《ウラヌス》(天王岩) ⇒完登

 ○スポルト・ルート
・5.11cを通算8本にする(あと1本) ⇒《錦繍の谷》で完了 
・5.11dを通算8本にする(あと5本) ⇒《C&Cの下部》、《トントン》(トポでは5.11bだけど、体感11d)、《ディレッティシマ・ドラゴン》の3本で未完
・5.11dを1日でRP  ⇒《ディレッティシマ・ドラゴン》で達成したものの、ムーブを教えてもらってるから不完全
・5.12aを3本 ⇒《543...》と《MT》と、5.12bの《ステルス》で、完了

 ○スラブ
・5.11後半を登る ⇒《ホップ・ステップ・ジャンプ》完登により、完了

 ○トラッド
・《予期せぬプレゼント》 ⇒RP
・《完全なる酒乱》  ⇒敗退により未完

 ○マルチピッチ
・屋根岩3峰で《南稜レモン》のバリエーション  ⇒敗退により未完

 ○トレーニング
・正しい姿勢を身につける ⇒未だ猫背 
・前腕ハム化プログラム  ⇒指関節の養生のため中止
・キャンパ ⇒一時期やって一定の成果あり。

ボルダリング、スポルト・ルート、スラブ、トラッド、マルチピッチ、トレーニングの各領域で考えると、1勝5敗ってところです。もっと頑張らないと。


以下、2014年に新たに登ったルートと課題。グレードがにこだわりすぎて数が少ないですね。特にスラブが。

○スポルト

ルート名グレード岩場RP日コメント
ステルス5.12b天王岩2014年3月☆☆☆
出だしからリップ取りまでの10手。一切休めず、ずっと厳しい。
6日?
543...5.12a?奥多摩の岩場2014年5月
長いルートの攻め方の勉強になった。
4日。
MT5.12a?奥多摩の岩場2014年4月☆☆☆
ハング下からレストポイントまでの一連のホールドとムーブが多彩で面白い。
3日。
トントン5.11d?池田フェイス2014年2月☆☆
ムーブを発見するのが難しく、厳しい。
4日?
C&Cの下部5.11d?奥多摩の岩場2014年4月
ストレニでよい。
2日。
ディレッティシマ・ドラゴン5.11d河又・シュテファン・フェイス2014年12月ルートの内容はとてもいいけど、ムーブを教えてもらう取り組み方はだめ。
1日
錦繍の谷5.11c川乗の岩場2014年1月
ムーブが分かりづらく、それを探るのが面白い。 密度高い。
1日。
MDDダイレクトの下部5.11a/b奥多摩の岩場2014年4月
リップ取りまでの一連のムーブが厳しく、良い。
2日?
虹の戦士5.11a?障子岩南東面2014年1月トポのグレードは5.12a。僕のリーチだと、5.11aくらい?かぶったスラブ。
2日。
パズル5.11a小川山・星の塔2014年8月☆☆☆初めての5.11のオンサイト。B&NP。フェース、マントル、スラブ、クラックの総合力。とてもいい。
OS
きいてないよー5.10d池田フェイス2014年1月冷たかった。
1日、2便。
雨宿り5.10b北川の岩場2014年6月ひたすらカチを握り込んで引く。終了点が中途半端。
オンサイト。



○スラブ


ルート名グレード岩場RP日コメント
ホップ・ステップ・ジャンプ5.11c小川山・オーバーヒート下の岩場2014年9月☆☆☆
下部の厳しいプッシュと立ち込みがいい。上部はカンテを登った。
3日。
スラブの逆襲5.11b小川山・ソラマメ下部2014年8月
上半身主体のムーブで、指が強ければ登れる。
1日、3便。
冥土の土産5.10d天王岩2014年9月
チャート。厳しいエッジング。
何日も


○トラッド


ルート名グレード岩場RP日コメント
スーパームーン5.10+?奥多摩の岩場2014年12月☆☆☆
初めてのトラッド・ルートの初登。奥多摩らしい、短く面白いムーブ。
4日間、苦労した。
陽のあたる場所5.9/10a小川山・お殿様岩2014年6月☆☆☆
ランナウトしまくりで死ぬかと思った。
会心のオンサイト。
予期せぬプレゼント5.9+小川山・お殿様岩2014年7月☆☆☆
言わずもがなのoffwidthのメガ・クラシック。トンネルに入ってロープが大変。
2日。
夏風5.9+小川山・藐姑射岩2014年8月
ハンド。
OS
高橋さんのクラック5.8小川山・月の塔2014年8月
ハンドジャムとレイバック。
OS。


○ボルダー


課題名グレードエリア完登日コメント
ウラヌス初段?天王岩2014年1月6日。苦手系で苦労した。勉強になりました。
色即是空初段天王岩2014年1月2日。
ダウンはいらない1級小川山2014年7月2日。すばらしいドスラブ。
黒豆1級小川山2014年7月幾日も打ち込んだ。厳しいマントル。
一輪車1級?三峰2014年10月スローパーが印象的でとてもいい。
黒本では初段、日本ボルダリングエリアでは2段。この日はコンディションが信じられない位良くて、1級に感じた。
池田カンテ1級三峰2014年11月ラップが印象的でとてもいい。緊張感ある下地もよし。
白狐岩のSD2級御岳2014年10月抱え込みでの離陸と初手が厳しくてその後も気が抜けなくてとてもいい。
むかし道ペタシ2級?むかし道ボルダー2014年9月ほんとうに何もないスローパーのパーミング。とってもいい。
ホワイトテーブルの右マントル2級?むかし道ボルダー2014年9月マルガリ的な根性マントル。
タートル岩の一番右3級小川山2014年8月 なかなか厳しく緊張感があってよい。
時間割3級小川山2014年8月 マントル。ムーブがわからず苦労した。
スィール3級小川山2014年8月 いいマントル。
ホワイトアウト3級小川山2014年8月 高いところで緊張感あるマントル。
ターゲット3級笠間2014年12月 高いクラックの緊張感がとってもいい。
ラブタッチ3級笠間2014年12月 ペシペシおもしろい。
汚い大岩の側面のスラブ4級小川山2014年7月 短いけどとてもいい、勉強になったスラブ。
くじら岩、潮吹き穴の左のマントル4級小川山2014年7月 とてもいい、勉強になったマントル。



おまけの宿題リスト

○スポルト
アーバンテイスト、ラップ、アドレナリンジャンキー、ケンシロー、ショットガン、ブラックボードⅠ、ボディウェイト、ウッシーⅠ、北落師門、スパイダーマン、安近短、

○スラブ
てんかちゃん

○トラッド
完全なる酒乱、南稜レモン・バリエーション、冬のいざない、むかしクラック

○ボルダー
クライマー返し、モノローグ、素登り、テッシー、ミジララテスタ、人の字岩のマントル、むかし道の隙間、濁流、対称岩右・左、グロヴァッツ・スラブ、タートルマントル、緑の河、田嶋ハング、緑のマント

2014年12月29日月曜日

《アーバンテイスト》day3&《アドレナリンジャンキー》day3@障子岩

5月19日以来の《アーバンテイスト》@障子岩。いつものパートナー松氏と。

まずは暖かい南東面でアップ。《ぺっぺっぺの羽田さん》、《体型だけでイレブン》のいつもの流れを久々に。ここはほんとにいいところ。

温まったところで《アーバンテイスト》へ。ポケットはいつも通り湿っていた。それはいつも通りだから拭けばいいとして、下部で使うキーホールドのアンダーも濡れていた。特に午後は氷結が融けたようで、水滴が滴るほど。デーブさんも、RP体勢に入ったらコンディションの悪い時にやってもしょうがないと言っていたことだし、乾くのを待つかな。しかし、この先、5月頃までずっと濡れてる予感。そうなると逆に暑くてぬめる。このルートにコンディションのいい時なんてあるんだろうか?んー、悩ましい。

コンディションの悪さもあって午後の1本で諦めて、暗くなるまで《アドレナリンジャンキー》。かつて、一人でぶら下がって上部の前後のつながりがあやふやな2手しかムーブが分からず、松氏とぶら下がって離陸すらままならず1手も解決できなかった極悪ルート。公称5.12bだけど、12cはあるとか、12dだとか、最近は13aなんて話しも聞かれるほど。

今回は、離陸から3本目のボルト直下までのムーブがほぼ解明されると言う奇跡が起きた。パワーです。初段のボルダームーブの上に1級のボルダームーブをくっつけて、間でほとんど休めない感じ。どこを取り出しても3手とつながらない感じ。

足場が染みだしポイントになっていてドロドロなのが頂けない。次回はブラシと雑巾を持っていって足下のお掃除をしましょう。パートナーのいない年始に一人で行って掃除してもいいかもしれない。草ホールドの草を抜くラジオペンチも持っていこう。


○《アーバンテイスト》改訂版ムーブメモ

右手ガバ、左手ピンチでスタート。左足をいい膨らみにあげて、上のガバを左手。右足を右に張って、クリップ。足はそのままで、右手ガストン。左手ポケット。右足を右に出して、右のアンダーを右手。左足を寄せて、右足を右の粒に置いて、左手を左上のカチ。右足を上げて、右手で右上のポケットのスローパー。左手でクリップ。

上の湿ったポケットを左手クロス。右手も出してマッチ。右足をポケットに出して、右手を右上のスローパー。左足を右足のすぐ左の見えないエッジに寄せて、右手のすぐ左の横引きポケットに左手。右足をポケットに戻して、右手を上のピンチ。左足をポケットに上げて、クリップ。

左手を左のかかりの良いポケット。右足をポケットに上げて、左足を左のポケットに出して、右手で2つのポケットをピンチ。右足をポケットに上げる。この右足は下部でマッチするポケットだと、ガチャホールドを取りやすい。左手で左のガチャをサイドプル。右足を右の粒に置いて、右手を上の2本指ポケットへ。ここの右足は、粒の真上を踏んで、剥がされないようにかきこむ。クリップ。

左足を上げて、左手を左の水平窓の右寄りのスローパー。この左手は、この後のマッチに備えて、右側を右手のためにあけておく。右足をポケットに寄せて、左足を左下の斜めのエッジに出して、右手を寄せてマッチ。左のガストンポケットに左手。右足を右の粒に置いて、右手を水平窓の左端のワイドピンチ。左足を見えないフットホールドに上げる。この見えないのは、白いシミを目印に。右手をボルトの右上の棚へ。この右手は、棚の下に親指がかかるところを狙う。左手を棚の左端のガストン気味のピンチ。クリップ。

右手をクロスでピンチ。左手を左のガバポケット。フラッギングで、右手を右上のかかりの良いポケット。左手を左の甘いポケット。左手を上のエッジにとばし。右手で右上のノブをラップ。左手を左上の尖ったガバ。右手を右上のガバ。ここは、手前のガバは浮いているので触らずに、足を高めにして奥のガバを狙う。左手を左上のガバ。クリップ。

右手を右の切れ目のガバ。左手をクラック。右手で上の奥のクラック。左足を棚に上げて、終了点にクリップ。左手を左フェースの水平クラック。右足を右の棚に上げて、右手をリップのスローパー。左手をリップ奥のクラックで、右の棚に乗り込んで、右手を奥のブロックに手を出して、棚に立ったら終了。

○《アドレナリンジャンキー》ムーブメモ

右手サイドプル、右足粒、左足エッジ、左手スローパー、右手アンダー、左手スローパーの上のアンダーを強引に3本指ピンチ、右足を左足エッジの左上にスメア、左足を左に張る、右手を左手の右のアンダー、左足をガバフットホールドに強引にハイステップ、右手アンダーパワーで強引に体を引き上げて、左手を見えない斜めホールドに強引に出す、右足を左足近くに寄せて、右手ポケット3本指ガストン、左足ハイステップでガバフットホールドにあげて、右手ガストンで強引に体を引き上げて、左手の唯一素直なピンチへ強引にデッド、右手中継?、右手ガストンカチ、左足を左手で使った斜めホールドに上げて、左手左足のバランスで、右手を上の水平ホールド、そのまま右手を右の草が生えている見えない甘いホルドへ強引にデッド、左手顕著なエッジ、右手草ホールドへ寄せ?、左手左の脇のエッジ?その後不明。要するに、強引にパワーで登るってこと。苦手系です。あれ?どこでクリップするの?

2014年12月26日金曜日

クライマー返しday9@御岳

久々にちょっとだけ御岳、クライマー返し。

寒すぎて体が動かず、離陸の左手の引きつけが効かない。乾燥しすぎてあるはずのフリクションもなくて、ナックルジャムがきまらない。

僕の体には真冬には向かない課題なのかもしれない。

次回は御岳でいろいろ新しいことをやって遊びたいな。アイデアはいくつかある(あっきーとか付き合ってくれると嬉しいな)

2014年12月24日水曜日

《ディレッティシマ・ドラゴン》RP@河又の岩場

2年8ヶ月ぶりの、三度目の河又の岩場。tnkさん、オーナーと。

《ディレッティシマ・ドラゴン》

古い記録をたどって、前回いつ行ったのかがようやく判明した。登ったはずの《泣かないで愛ちゃん》も完登ルートリストに載せるのを忘れていた。

行き先はtnkさんがトライ中の《ディレッティシマ・ドラゴン》(5.11d)があるシュテファン・フェイス。シュテファンって、グロヴァッツのことかな?

まずは《気分はダイレクト》(5.10b)。岩が超冷たくてテンション入って、2便目でRP。右隣のルートが近くて、右カンテを使わない設定なのかもしれないけど、使った。

それから、《ディレッティシマ・ドラゴン》。2便かけて散々ムーブを探りまくって、3便目でRP。5.11dを1日で登ると言う今年の目標を達成と言いたいところだけど、核心部のムーブを全部教えてもらってますから、胸を張って目標達成と言えるようなクライミングではないですね。ムーブが分かりづらいルートだから尚更。これを自分でムーブを作って登るのはすごいことだと思う。

リーチでホールドを取っているところが2カ所、高身長で足を上げずにホールドを効かせることができるところが3カ所か。ずいぶん楽をしてますけど、それでも5.11dは十分あると感じた。

移動からヌンチャクがけまで、おんぶにだっこで楽しいクライミングをさせてもらいました。

○追記

シュテファン・フェイスの奥の岩は登られていない様子。

《ゆで卵》(5.11b)は、実質的には下部ハングのボルダー1級って感じかな?2通りラインが取れそう。


気持ちいいポケットがある。


《フレーク》(5.8)あたりも、登られていない。


いずれも終了点の様子は確認できなかった。更に奥の岩は、踏み後も不鮮明になっていて、今回は確認しなかった。

2014年12月23日火曜日

Rock & Snow #66

日本で唯一のクライミング専門誌、Rock & Snow 66号(2014年冬)。

○A DAY IN THE LIFE 濱田健介
クライミング歴11年ということは、始めたのは2003年ごろか。それで、2005年に鳳来のオーヴ(4段)完登はすごい。月に1本の4段を登る勢いもすごい。塩原のカランバを登るために道の駅に一ヶ月住みついていたって話しもすごい。そのくらいひたすらに岩を登る気持ちが必要なんでしょうね。
「本当は、みんなが率直に感じたグレードを言い合えるほうがいいんでしょうけど。グレードに関する発言自体がネガティブな印象になっている気がするんですが...。」
いやー、面白い。全部面白い。ところで、インタビュアーはだあれ?

○特集 ホールド大全
「ネタ切れ」とか、「誰得」とか、方々で散々なことを言われているこの特集。普段使っているもののことを知っておくことは悪いことではないと思うので、僕は良いと思いますよ。なかなか面白かった。もっと掘り下げた記事があるといいですけどね。国産ホールドの歴史とか、木製ホールドとか石製ホールドとかの変わり種とか、知りたいことはいっぱいあります。ナックルジャムホールドがどこに行ったのか、とか、気になる〜。

○サルデーニャ島のサーシャ・ディジュリアン
「美形クライマーとして雑誌の表紙やグラビアを飾ること多数」というサーシャたんの紹介文がこの記事のすべてを物語っておりますね。38頁の写真は、もっと画質の良いものはなかったんでしょうか?

○Petzl RocTrip BULGARIA & MACEDONIA 安間サチ&野口アキヨ
...

○平山ユージ、UKトラッド
これは面白い。ユージさんがトップクライマーとしてプライドを持っていたからこそ近づかなかったUKトラッドって、やっぱり恐ろしい。現地のトップクライマーが二つ返事で受け入れるってのもすごいことですよね。写真も好き。


○ギアおたく 自動調光付きヘッドランプ
またもやまともなギアではないですか。ホームセンターで手に入る自作クライミングギアくらいのおたく度が欲しいです。

○5.12では落ちられない 赤岩青巌峡《天国列車》(5.12b)
赤いチャート、奥多摩の岩を思わせるスケールのなさがとてもいい。いつか北海道にも登りに行きたい。

○軽井沢の岩場
長野の浅井さんが開拓した軽井沢の岩場の発表。とっても楽しそう。

○錫杖岳烏帽子岩前衛フェース la Campanella 今井健司
○錫杖岳烏帽子岩前衛フェース 幸せ未満・再登 小野寺賢治 守光郁馬
いいね。

その他にも内容はもりだくさん

○第9回ピオレドール・アジア
○ワールドカップ印西2014
○長崎がんばらんば国体
○山内誠 神戸のオロチ(5段+、V15)に成功
○ブラックダイヤモンド・アパレルの宣伝
○記録
・山寺
・常陸大宮・諸沢
・市野萱川ボルダー
・小川山、眠り姫岩《カナコリン》、狸岩《たんたんたぬき》、《ちぇいんじんぐこおなあ》
・瑞牆山十一面岩正面壁「泉」5P 115m 5.12+ R、「葉月」5.12- R
・鷲頭山カッチンロック《ファイドー》、《コンポストコーナー》、《クラックト・リブ》
・安倍史明、穂高岳屏風岩東壁《フリークライミング》(5.10d)をソロで全ピッチ・オンサイト
○カオリンの旅
○日本列島小さな岩 北山真 常陸大宮・十二所淵の岩場
○東秀磯のクライミングラボ ルートセッター名鑑
○たまにはマルチでも登ってみようか 太刀岡山右岩稜(7p 5.10d/11a)
○プロが進めるスタンダード技術 マルチピッチのレスキュー2
○フィジカルトレーニング 千葉啓史 引きつけ力強化
○クライミング道場 ジャック中根 5.12を目指せ
○ON THE SCENE 池田常道 エベレストをどうしようというのか
○スキーアルピニズム 鹿島槍ヶ岳北壁登攀・滑降の可能性
○その他アルパインとかアイスとか
○インタビュー マグナス・ミトボ、アダム・オンドラ
○Ohne Rauch, stirbst Du auch イネス・パパート、リージ・シュトイアー、ドロミテのチマ・グランデ・ディ・ラヴァレード北壁を攀じる
○大崩山系・小山手本ダキに国内有数のマルチピッチ 佐藤裕介

2014年12月22日月曜日

スポルトのリハビリ@三ノ木戸、染み出し敗退@昔クラック、隙間@御岳


《スーパームーン》を完成させて一区切りついたことだし、そろそろ奥多摩のスポルト・ルートに復帰したいので、リハビリ・クライミング@三ノ木戸。3年ぶりくらい?

前日夜までザーザーの雨だったにもかかわらず、岩はカラカーラカラ。朝は快晴でポッカぽか。お昼頃にガスが上がってきて、曇り空で冷えてきた。

《小手調べ》(5.10a)でリハビリ開始。3便かけてようやく再登に成功した。前傾壁の登り方をすっかり忘れていた。大きくダイナミックな動きと、レスト。レストなんてしたのは何ヶ月ぶりだろう?

続いて、《現代若者気質》(5.10b)。右のカンテラインを登っている人もいるようだけど、「ステミング・ライン」というトポの記載を信じてコルネとコルネの間をステミングで登ったら、それらしくなった。こっちが正解だと思います。2本目のスリングから3本目のボルトまでが遠いけど、ガバだからさして危険ではなかった。上部がちょっと悩ましい。

さらにリハビリで《アルパイン派》(5.10c)にオンサイトトライ。途中まではガバだけと、3本目のボルト付近から一気に細かくなる。ライン取りを誤ってテンション。で、3本目のハンガーを見ると、ちょっと不安。自作と思われるハンガーは隣のハンガーと比べてもひときわ薄く、素材は不明だがアルミの様に見え、横を向いて曲がっている。大事を取って左のルートとさらに左のルートに逃げて、フォローで回収。封印。

こんな感じで2時頃まで十分なリハビリを行い、移動した先は《むかしクラック》。近くて良いですね。しかし、日陰の谷底の沢沿いという、乾く要素一切なしの岩はビッショビショ。御岳に移動。

かねてから目を付けていた発電所エリアのA岩、B岩の隙間に向かった。

遊歩道側の2つの隙間。岩はビショビショでしたけど、雑巾で入念にふきふきしてトライ開始。

下流側は見たところハンドジャムがバチ効きで、フットホールドもあるので、さほど難しそうには見えなかった。松氏が一撃初登



奮闘してますけど、右のフィストをぶち込めば楽チンです。

それから、上流側。こっちは見た目通りちょっと難しい。でも、三峰の隙間を経験した今、それほど苦労せずに解決できました。暗くなる前に無事完登



真っ逆さまのムーブがとっても面白い。オススメです。

2014年12月18日木曜日

クライミングジャーナル #49

アルパインのことは全然分かりません、クライミングジャーナル49号(1990年夏)。

○特集 忘れられた大岩壁
・下北半島 縫道石山(ぬいどいしやま)。
すっきりしたでかい岩壁のようですが、下北半島の奥の奥っていうロケーションがね。天然記念物の岩茸に注意って言うのが凄い。資料=CJ18号、岩と雪137号。

・北アルプス 赤沢山
現代的なフリークライミングの対象にはならなそう。岩と雪45号、日本登山大系7。

・北アルプス 硫黄岳前衛峰東壁
現代的なフリークライミングの対象にはならなそう。岳人260号、288号、岩と雪120号、CJ28号、45号。

・笠ヶ岳ドリュ状岩壁、あけぼの壁
現代的なフリークライミングの対象にはならなそう。岳人440号、441号、CJ14号、21号、26号、44号、岩と雪118号、138号。

・甲斐駒ケ岳 宮ノ大岩
「開拓の余地はまだある」といってるけど、今時登る人はいないでしょうねぇ。岳人413号、CJ16号、日本登山大系9。

・大台ケ原 大蛇嵓(だいじゃぐら)
これもぼろぼろに見える。岳人351号、239号、岩と雪64号、80号、日本登山大系10。

○全日本忘れられた大岩壁MAP
北海道。崕山(きりぎしやま)、CJ26、日本登山大系1。
東北。猿岩、岳人338号、459号、日本登山体系1。丁山(かのとやま)・雄甑(こしき)岳南壁、雌甑岳南東壁、CJ5号。
上信越・日光。御神楽沢奥壁、CJ26号、岳人342号、日本登山大系2。井戸小屋山。写真を見る限り、スッキリした岩に見える。佐梨奥壁、岩と雪30号、岳人329号、日本登山大系2。八海山東壁、山渓371号。越後荒沢岳・猿ヶ城、岳人438号。巻機天狗岳、日本登山大系2。松木沢ウメコバ沢中央岩峰、岩と雪87号。
西上州・奥秩父。毛無岩正面壁、鹿(かな)岳南峰南壁、CJ21号、25号。金峰山石塔岩・千代の吹上げ、岳人376号、日本登山大系8。
伊豆・小笠原。波勝崎赤壁、CJ21号。小笠原母島乳房山東面大崩岩壁、岳人493号。
頸城。海谷山塊の岩場。般の浦山東壁。駒ヶ岳南壁。高地岳北壁。仙丈ヶ岳南西壁。旗振山南壁。海老嵓南壁・西壁、岳人432号、日本登山大系6。戸隠山西岳地獄沢奥壁、日本登山大系6。
北アルプス。剣岳周辺、小窓尾根白萩川側壁、岳人332号、日本登山大系5。池ノ谷デルタフェース、日本登山体系5。池ノ平山北東壁、岳人323号。八ツ峰北面三ノ菱、岳人323号、400号。黒部川流域、剣沢大滝側壁大凹角壁、岩と雪69号、日本登山大系5。別山大屛風岩、CJ4号、日本登山大系5。下ノ黒ビンガ、岳人398号、日本登山大系5。上ノ黒ビンガ、岳人398号、日本登山大系5。赤沢岳周辺、赤沢岳北西壁、山渓447号、日本登山大系6。大スバリ沢奥壁、岳人405-407号、日本登山大系6。笠ヶ岳周辺、穴毛谷二ノ沢、岳人439-444号、穂高岳の岩場。穴毛谷四ノ沢、穂高岳の岩場、日本登山大系7。抜戸岳南尾根2421.6m峰東南壁、穂高岳の岩場。有明山深沢奥壁、CJ18号、日本登山大系7。
南アルプス。甲斐駒ケ岳・桑木沢中央壁、岳人350号。嫦娥(じょうが)岳南西壁、日本登山大系9。双児山西面不動岩、日本登山体系9。
近畿。大台ケ原。千石嵓。せいろ嵓。えぼし嵓、岳人239号、日本登山大系10。七面山南壁、岳人315号、CJ31号、日本登山大系10。
九州。万年山・伝りの岩、岳人422号。傾山・二ツ坊主南壁、日本登山大系10。屋久島の岩場、本富岳南壁。七五岳北壁。永田岳、岳人319号、322号、409号、日本登山大系10。

以上、要するに、アプローチが非常識 and/or ボロボロの大岩壁のリスト。本富岳のようにその後快適なマルチピッチのルートが開かれたケースもあるので、可能性はあるのかもしれないけれど、それも関東在住のサラリーマンには無縁な話し。岳人がかつてクライミングの記録を発表する場として機能していたことは分かった。


その他にも盛りだくさん。

○特集 行ってみたい遥かな岩場
・小豆島拇岳(おやゆびだけ)
小豆島の岩場はロケーションは良さそうだ。
・大堂海岸
モンキーエリアと帰れずエリアの紹介。普段奥多摩の小さくて薄暗い岩を登っている身からすると、信じ難いクライミングエリア。大きくて、広くて、明るい!岩と雪116号、118号、127号。
・白崎海岸
これまた明るい岩場。
・三崎海岸
憧れのレッドイーグル(5.13a)。
・神居古潭

○ツアーの達人大工英晃が贈るツアーのススメ

○ジェリー・モファット・インタビュー

○連載 フリークライミングの履歴書 山本譲 クライミングの特殊な能力?

○小川山登攀禁止問題その後

○第一回九州ロッククライミング大会in比叡
町おこしの一環として地元北方町が主催するコンペ。

○記録
北アルプス錫杖岳・前衛フェース左方カンテ「無名ライン」。前衛フェース第四フェース「バードランド」。三稜フランケ無名岩塔「カム・レイン・オア・カム・シャイン」。二稜「トーク・トゥ・ザ・スカイ」。穂高屛風岩スペースマウンテン〜マニアック、山野井泰史、単独初登?
彦根/芹谷屛風岩、《ミステリアス》5.12b/c。

2014年12月16日火曜日

《スーパームーン》から《むかしクラック》ツアー with ダイバーさん!


前回完登した《スーパームーン》から、つい先日山野井さんのブログで紹介された《むかしクラック》への、奥多摩トラッドツアー。《冬のいざない》被害者の会の同志であり、長野方面で超おもしろいクライミングを展開しているダイバーさんが、わざわざ長野からかけつけてくれた。

まずは奥多摩の岩場で《スーパームーン》。

松氏が少々危ないクライミングで完登。ダイバーさんはトリッキーなムーブに苦労していた様子。ガバからフィストに到達する数手のムーブの組み立てが分かりづらいですからね。ロープにぶら下がって途方に暮れる感覚、よく分かります。結局半日では解決ならず。しかし、僕では安定して保持出来ないホールドをやすやすと保持してトラバースしていた強さが印象に残った。また行きましょう!

僕は《スーパームーン》は前回完登していたので、今回はボルダー掃除の予定で、ボルダーマットをかかえて行った。で、ルーフの上を掃除してマントル課題を設定してみたものの、マントル一発の厳しい課題に跳ね返された。そこで、《スーパームーン》の左のスラブを掃除した。初めはボルダーで登るつもりだったけど、上まで行ったら面白いかもと思って、上まで掃除してみた。そしたら、苔だらけの岩が、柔らかな岩質の石灰岩のスラブをスモールナッツで登るメンタル核心のトラッドルートに姿を変えた。次回やります。

午後の部は、《むかしクラック》。

めちゃハングしてる上に、中ががたがたした石灰岩のクラックのジャミングに苦労した。こういうクラックで、きめるべきところにバシッとジャミングをきめられるのが、クラックの実力なんでしょうね。2トライして敗退。

ダイバーさんは2トライで見事完登。下部のジャミングの安定感と、上部のフェースムーブの力強さ、ナイスクライミングを見ることができて、刺激を受けました。僕も強くなる!

前から一緒に登りたいと思っていたダイバーさんとのクライミングは、思った通り楽しかった。登ったら二度と降りて来れない橋脚プロジェクト、頑張って下さい!

2014年12月10日水曜日

完登ルート・課題リスト-2014年まで-


忘れないうちにメモ。ルートとボルダーの記録。☆は個人的なお楽しみ度。

2014年末確定版。

○スポルト


2014年12月8日月曜日

《スーパームーン》成功@奥多摩の岩場


奥多摩トラッド、水平クラック、4日目。

僕がトラッド・クライミングをはじめるきっかけを作ってくれたのはリンムーだった。スーパームーンの夜に北アルプスに散ったリンムーへの感謝の気持ちを込めて、このルートを《スーパームーン》と呼ぶことにする。

この日の3度目のトライで成功。自分が持っているもののすべてを振り絞って、出し切った良いクライミングができたと思う。奥多摩を車で走る帰り道、まん丸の月が山の向こうに輝いていた。これからもこんな充実したクライミングを続けたい。

ルートは、石灰岩に寄りかかった円盤状チャートの、前傾した側面の水平クラック。フィストもスカスカの外傾したクラックからフィストへの繋ぎのムーブが、とても面白かった。フィストで耐えてのプロテクションのセットにも泣かされた。円盤のオモテ面に這い上がったあとのスラブも緊張する。クラックのサイズはキャメロット#5〜#2。グレードは、トラッドの経験が少ない僕には見当もつかない。5.10台前半ということはないと思う。

場所柄、そして、地味な見た目から、多くの人に登られることはないと思うけれど、トラッド好きの方にはできるだけたくさん登ってもらいたい。

2014年12月3日水曜日

久須美ボルダーにはじめまして



隙をついて、久須美ボルダー。車で行けばかかる時間は御岳とさほど変わらない。5分くらい余計にかかる程度か。アプローチがない分、むしろ早い。


結構な高さです。しかも、マントル核心という罠。マットの真上の三角形の辺りまで足を上げて、落ちたときの衝撃たるや。死ぬかと思った。

自然に還っていることは覚悟していたものの、下地にも大きな変化あり。


左の方、《キャッツ》、《日原直上》、《気分は日原》は下地が流されて水没。


こちらも右半分が水没。


本命の《鉄人カンテ》は無事だけど、下地は斜めで、水が流れてじめっとしてた。冬の午後は暖かそうだ。

《スマッシュアンドラン》、《マーケット》あたりは上にたまった雨水が流れ込んで濡れていた。登ってみた《ランニング・アー坊》、《ルンルンひろし君》、《介錯人》あたりは、リップが埃まみれで、危険を感じた。次回はロープを持って行かないと。結局、思った通り何も登れず帰ってきた。


この隙間にも興味があったんだけど、絶賛水没中。