2015年7月23日木曜日

《ファン・ファン・ファン》失敗、《Unspeakable》RP、《南風》RP、親指下ボルダー@小川山


小川山!いつものパートナー松氏と一緒。トラッドのマルチは大変勉強になりました。プロテクションのセット、ラッキング、下降、いろいろと考えなければなりません。

狙いは、最高ルーフ右の《ファン・ファン・ファン》。1P目に特徴的なダイク・トラバースを持つルートです。完登ならずで、乾いているときにまた行きたいと思います。

1P目下部は《最高ルーフ》と共通ということで、スラブを登りましたが、ダイク左下のちょっと立ったクラックにプロテクションをとったら、スリングで伸ばしてもロープの流れが悪くなりました。右面のクラックを登るのがいいのかもしれません。雨の後はびしょ濡れですけど。

ダイク左のクラックがびしょ濡れでテンション入りました。ダイク・トラバースは非常に厳しく、木を掴んでなんとか上に抜けました。このピッチのグレードは、発表時は5.10dで、関東周辺の岩場以降のトポでは5.10bとなっています。このグレードについては、ハンド・トラバースで5.10b、ダイク上を歩くと5.10dとの情報に触れました。歩くとすると、左のクラックを少し登って最初から上を歩くのでしょうか?なかなか厳しそうです。ただ、歩けるとしたら、2本目のリングボルトにいち早くクリップできるので、安心ではあります。ハンド・トラバースでマントリングの最中に落ちたら、大きくスイングすることになって、目も当てられません。

[追記]岩と雪105号に、上記のグレードについての記載がありました。

2P目は噂通り、ブッシュと苔のクラック。掃除したいです。

(ブッシュがなければ)綺麗なクラック

3P目は、スラブのトラバースから、ワイドクラック。奮闘しました。ギアのラッキングも悪く、左のギアループにいろいろとぶら下げていたのですが、それが邪魔で、クラックの奥になかなか潜り込めませんでした。挟まった状態でギアを右に付け替えて、なんとか解決。スラブでもギアスリングにぶら下げた大量のギアが邪魔でしたし、情報のないトラッドの難しさを痛感しました。

帰りの運転中に、トラバース部分でプロテクションをセットしなかったことについて、議論になりました。リードの安全性と、フォローの安全性と、ワイドクラックに潜り込んだときのロープの流れと、いろいろと考えて答えのでない難しい判断です。今回はトラバースがさほど難しくないし、ワイドの入り口もさほど難しくないので、どっちでも問題なかったですが、どっちかが難しいとシビアな問題になりそうです。トラッドは難しいです。

お殿様岩、しぐれがよく見える

ジェットストリームもよく見える

下降は、最高ルーフの終了点を使って、左のルンゼへ。懸垂のロープがスタックしてどうなることかと思いましたが、松氏が裏に回って回収してくれました。感謝。マルチではこういった辺りの対応力も必要ですね。

《ファン・ファン・ファン》というルートは、岩と雪94号において発表されました。それによると、このマルチ・ピッチのルートは、グラウンドアップで初登されています。しかも、初登時はボルト・キットがなかったため、核心部のトラバースはボルトなしで登られているそうです。ダイクのトラバースにラインを求める目の付け所がまず素晴らしいと思うのですが、それ以上に、その部分をノープロでやってしまう心の強さも素晴らしいと思います。真似はしたくないですが。こういったルートを知るにつけ、むかしの人は凄かったと、何度も考えてしまいます。

午後はスラブということで、前回行ったリングサイド・エリアともどき岩。

リングサイド・エリアでは、《Unspeakable》。1回目は落ちました。アップなしでは無理でした。2回目でRP。そのあといろいろ試してみたら、ボルトの右でも左でも真ん中でも、どこでも登れました。スラブを登れる人が登れば5.10aなんでしょう。スラブは難しいです。

南風

それから、もどき岩《南風》。こちらは予定通りのムーブで1回目でRP。前回さんざん試した成果です。分かってしまえば5.10a、なんてことは全然なくて、やっぱり発表時の5.10cはあると思います。難しい部分はわずか数歩ですが、その数歩のムーブが最高に楽しいルートでした。スラブの楽しさはグレードではありません。

隣の、バリアス・ポジション

最後は、親指岩下ボルダーで締め。まだ登っていない課題を下から順番に登る方針で、ばしばし登りました。

漆岩47番のスラブ4級は名作だと思います。哲学岩の40番マントル(7級)と、42番マントル(5級)と、43番マントル(3級)と、39番マントル(7級)と、露岩の34番マントル(7級)と、38番マントル(2級)は、どれも同じ難易度に感じました。マントルは分かりません。

あとは、露岩の28番(7級)、29番スラブ(9級)、30番スラブ(8級)、32番(7級)。それから、トポにはない哲学岩39番マントルの右のマントル課題を登りました。なかなかいい感じでした。露岩31番のスラブは敗退。また行きます。

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