2015年9月9日水曜日

岩と雪 #84

大根おろしにボルトが打たれているとの情報に触れ、今一度読んでみました、岩と雪84号(1983年4月)。

○打たなかったボルトの話 大内尚樹
三つ峠のスラブ、大根おろしにボルトを打たなかったという話。当時からすでにリードされていたということ。つまりはフリーソロ。ただし、わずか8mということを考えると、ボルダーと言ってもいいかもしれない。多分に個人的な思い入れの問題ではあるのですが、悩んだ挙句、そこにボルトを打たないという選択を筆者はしています。

○西伊豆・鷲頭山 海を見晴らす高台の岩場 池田功
ジェット(5.12a)、コズミック・ダンサー(5.11c)、E.T.ハング(5.11a)、メイズ(5.11b)の4本。コズミック・ダンサーは、その後5.11dになった。最新版の100岩では5.12aになってるけど、これは誤植か?「冬も暖かい」とあるけど、本当だろうか?行ってみたい。

○5.12クライムの世界 コロラド、ヨセミテの登攀から 鈴木英貴
「昨年も、春秋と多くの日本人クライマーがヨセミテを訪れた。しかし、彼らのクライミングに僕は失望した。ただやみくもにハイ・グレードを追いかけ、墜落を繰り返しては登る。五回も六回も落ちて(ロワー・ダウンも含め)登るなら、そのルートを登る力がないといえる。なぜ下のグレードから徐々に登っていかないのか。いま日本では、5.9は登る価値がないとみなされているのだろうか。フリー・クライミングは、確かにシンプルで、足かせをはずされたような開放感と充実感のある素晴らしいものだ。それを味わうためには、一歩一歩力をつけ、安全に楽しく登るのが最良だ。もっと本質を捉えるべきだ。

○飛翔 瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁をめぐるモノローグ 戸田直樹
日本のフリークライミングが一歩前進した瞬間の記録。とてもいい。

○記録
・チームイカロスによる双子山(今は二子山って言ってる)の開拓
この時代の傾向なのか、クラックにルートを求めているのが面白い。西岳の無名クラック、イレギュラー、ブラック・ホール。そして、ローソク岩のAir Way(航空路)。Old But Goldで紹介された、エアウェイ。強引なレイバックから、急傾斜でのレイバック、さらにレイバック主体で、最後はアンダー・クリングからレイバックっていう、終始レイバックのトポを見た。いつか登りたい。

・小川山、烏帽子岩三ノ楯エミちゃんありがとうルート

・小川山、廻り目平岩塔群最高ルーフ、ファンファンファン
イカロスⅡによる最高ルーフ右の3P、最高5.10dのルート。スクイズ・チムニー、5.10dのトラバース。最高ルーフ1P目の途中から、右面のクラックに入るようです。1P目だけでも、もう一度挑みたい。

・その他
黒伏山・中央ルンゼ、大朝日連峰・障子ガ岳・小障子南壁中央フェース、明星山・P6南壁クィーンズ・ウェイ、八ヶ岳・横岳西壁大同心正面壁右フェース、阿弥陀岳広河原沢右俣流域武藤返しの滝沢、クリスマス・ルンゼ、ポスト・クリスマス・ルンゼ、右俣右ルンゼ、麦草岳・小野川正俣沢、北アルプス・黒部丸山・東壁右岩稜、針ノ木岳・針ノ木中流右岸の岩場同志社大ルート、唐沢岳・幕岩西壁GDMルート、幕岩下部雲峰ルート〜上部大チムニー、南アルプス・甲斐駒ケ岳・篠沢七丈瀑、北坊主ノ沢〜黄蓮谷左俣、西坊主ノ沢〜黄蓮谷左俣〜赤石沢奥壁左ルンゼ、双児沢、双児山西壁、駒津沢右俣、濁川支流ヤチキ沢、台高山系・日出ガ岳・東の川岩塔トリプル・ルーフ・未知との遭遇、行縢山・雄岳宮崎登攀倶楽部ルート、雄岳西壁下部天照大神ルート、比叡山・3峰瀬音ゆかしき、1峰お昼寝ルート、有明山深沢右俣正面壁右岩壁LSDルート

○マカルー北西稜 山岳同志会マカルー登山隊

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