2017年4月30日日曜日

フラット・ホワイトday3

三日目のフラット・ホワイトへ。今回は一人です。

上からロープを垂らして、中間の前傾カンテから上のムーブ探り&プロテクション確認を2度。ハイステップ、スメアを多用する典型的なカンテの登りで、最高です。こういう岩を登りたかった。問題はプロテクション。かなりのランナウトの上に、体を横に倒してカンテの向こうを覗き込む不安定な体勢で、効いてるんだか効いてないんだかわからないカムをセットします。それも3回。その上でさらに核心ムーブがガツンと一発。

マスターカム黄

これを登る実力を、僕は備えることができるのだろうか?

謎。


2017年4月26日水曜日

フラット・ホワイトday2

シンクラックPを登った日、午前中はフラット・ホワイトでした。写真を見て興味を持ってくれたkonさんと一緒。

ルートの全長45mくらいか。2本のロープを連結してのTRを試みました。リップで擦れるのを避けるために支点を随分下に降ろさないといけないことも相俟って、いろいろイレギュラーで面倒ではあります。

下部10mは右から入ると5.8くらいのスラブ。プロテクションはクラックと立木から取れ、問題なし。

その上8mくらいはスラブと垂直の間。出だしがちょっと悪くてプロテクションも取りづらいところ。と思ってたら、ソージ・コーナーでも大活躍したホールド・デストロイヤーkonさんがホールドを破壊し、ムーブもプロテクションも怪しい感じになりました。リード時じゃなくて良かった。

次の12mほどの前傾したカンテのムーブが核心部になりそうな予感。垂直部にハンドサイズのカムを固めどりしたら、ランナウト5mほどで、半身がはみ出した怪しげなセットのマスターカム赤。さらに2mでまた半身がはみ出した怪しげなセットのマスターカム黄。さらにマスターカム紫。その上にC3赤がボンバーだけど、入れるとムーブができなそう。ここまでのカンテのパーミングで前腕はパンパンの予感。そこでやって来るハング越えの核心ムーブ。解明できませんでした。


次のセクションは傾斜の落ちたコーナーとカンテが10m。今回は触らず。

最後の5mはライン取り未確定。

という感じで、充実のルートになりそうな予感です。この岩には巨大な蜂の巣の残骸が多数。夏は危険地帯になりそうです。陽当たりも良すぎて暑いでしょう。狙うは次の冬ですね。

konさんはお気に召さなかった様子で、次回から一人になりそう。冬までにプロテクションとムーブをじっくり考えることにします。

追記
帰りはヒマラヤ酒折店でインド料理。カブリナンがなかなかよかったです。

2017年4月25日火曜日

シンクラックP、RP

昨年の秋から取り組んでいたシンクラックのプロジェクトに成功しました。 11日目でした。

初手の右手第一関節ジャムは効きが甘く、70点。強引に左足トージャムをきめて、手を進めました。結果的にはこの初手のジャムが核心ムーブです。初手に成功するまでに3日。 その後、上部のムーブを探っている最中に初手のムーブができなくなって迷走することになり、ついにコツを発見したのは、10日目。


続く右手の第一関節ジャムも厳しく、下から繋げると効きが甘くて、80点。抜けそうになるのに必死で耐えながらカムをセットしました。このムーブを発見したのは4日目でした。


次に来るのはこのクラックで唯一左手ジャムがきまるポイント。ここはロープにぶら下がってムーブを探る時はジャムがよく効くのに、下から繋げるとうまくはまりません。時間をかけて効きを高めます。それでも90点。


さらに続く右手第一関節ジャムは、本来は3回右手第一関節ジャムの中では一番の効き。しかし、これまた繋げるとうまくはまらず、効きは60点。完全にきめることは諦め、強引に左手を進めます。


棚を取ればムーブ的にはほぼ終了です。ここまでは直前のトップロープでの確認で成功していたので、自信を持って挑む事ができました。 しかし、下から繋げてのナッツのセットの体勢を確認しておらず、左手でセットしないといけないのに、バランスが悪く左手を離して安定してセットができません。左のギアループにつけたプロテクションを右手で取るという不測の事態。


ここからクラックは左上に続きます。ここでもまたプロテクション問題が発生。左手でセットしないといけないのに、左手を離せません。右手でなんとかセットしたものの、ブラインドのセットになり、一歩上がって覗き込んだら、クラックの中で完全に歯が開ききっていました。なんとかセットを修正し、上に抜けてRP成功。

この岩を発見したのは2016年10月のこと。いつものパートナー松氏とナメクジスラブにやって来た際に、スラブのあまりの難しさに心挫けて岩探し散歩に出た時でした。 尾根から一歩外れた岩の裏側に、このクラックは切れ込んでいます。尾根の上からはその姿は確認できず、何の期待も持たずに念の為と岩の裏側に回り込んでこのクラックを発見した時の驚きは、今も鮮明に覚えています。

実際に登ってみると出だしから極度に強度の高いムーブで、圧倒されました。それでもどうしても登りたくて、いろんな人にビレーをお願いしたり、一人でロープをフィックスして練習したり。一冬を越え、このためにトレーニングを積み、体重を5キロ落とし、シューズのフリクションが上がる暖かい時期を待ち、時間帯を選び、軽いハーネスに履き替え、プロテクションは最小限に絞り、チョークバッグはつけず、自分のクライミング能力を切れる寸前のゴム紐のように伸ばして、なんとか登ることができました。

この岩の発見のきっかけを与えていただいた方々、付き合っていただいた方々に感謝です。

「喜び讃えよ 主イエスは生まれぬ(Noel)」(5.12b)

クラックの経験が少なすぎてグレードのことは分かりません。5.12bとされるセンチュリー・フォー・カラーズは7日で登っていて、それよりも時間はかかっています。他方で、センチュリーは初日にムーブとプロテクションについて情報を得ていて、こちらは情報なし。しかも短い上に出だしが核心なので、登りやすいかもしれないとも思います。ということで、ひとまずセンチュリーと同じ5.12bということにしておきます。

このクラックにグレードをつけることになんの意味があるのかとも思いますが、その話はまた別の機会に。

英語名はNoelってことで、ノエルでもいいです。そういえば、シンクラック、シンクラックと言ってましたが、初手以降は右手は第一関節が入ったので、フィンガークラックです。

2017年4月20日木曜日

スーパー・レイン@海金剛

ようやく天気が許してくれて、行ってきました。スーパー・レイン@海金剛。おしのさんと一緒。


海からズドンと突き上げる白い岩壁。雲ひとつない好天に恵まれました。


見下ろすと荒波が打ち付ける海。ハング越えの最中に足元に目をやると、猛烈な風でドッカンドッカンと音を立て破裂する波が目に入り、緊張感が高まります。


全ピッチ登りきると、遠くに富士山の姿。最初から最後まで出来過ぎた岩です。

僕は2(樹林帯の上)、4(その上の上)、5(快適なテラスの上)の各ピッチをリード。リード、フォローとも全ピッチ落ちずに登れて、最高のパフォーマンスでした。

唯一の問題は風。快晴の一日で、暑すぎるのではとの心配もありましたが、強風のため極寒。途中からガクガクブルブル震えが止まらず、動けなくなるかと思いました。皆さんも気をつけて。

幾度もの雨天順延を繰り返し、結果的にはその度に良い事前トレーニングを重ねることができました。おしのさんにはアイスドールのオンサイトで自信を持って臨んでもらえたのではないでしょうか。3P目の斜めに伸びるシンハンドは難しくて、リードはなかなかのものだと思います。僕も、マルチのシステムとか、色々学んで成長させてもらいました。

ありがとうございました。

2017年4月17日月曜日

スラブ・エリア

少し前に探索して(再)発見したスラブ・エリアへ。

一緒に探索しNorlys氏、konさん、松氏の猫危篤離脱により合流したのりさんも一緒です。

登ったのは、長いコーナークラックの「ソージコーナー」(5.10a)。

一番手のオンサイト・トライは、クラックに詰まった乾いた砂をかき出しながらのクライミングになりました。中間部、左手のガバを砂の中から掘り出し、次の右手のハンドジャムを入れようというところが砂で埋まっていて、かき出している最中に左手が砂で埋まりました。ここで前進する力を失い、あえなくオンサイト失敗。実力不足です。


ワイドの手間の木の生えたテラスまでだったら、60mロープでロワー可。もしかしたら50mでも可能?その上のワイドは今回は誰も触らず、登ったら面白いのか、怖いのか。テラスまでは5人登ってかなり綺麗になったようです。

左のコーナーは丈夫で左のかぶった壁の手前のライトニング状のクラックを登るのが、サンダー・ボルト(5.10d)。僕は登りませんでしたが、こっちも面白いそうです。


4人登って綺麗になったよう。

最後はちょっと離れたところにあるかぶったクラックの様子見。上から懸垂で降りたら、大変でした。下から見るとそんなにかぶってるようには見えないんだけど、150度くらいの張り出し4mほどか。壁から離れてしまうから、懸垂でホールドを確認するのも一苦労です。


とりあえず、山梨のゾンビ・ルーフ(仮)と呼ぶことにしましょう。

ゾンビ・ルーフはあの傾斜と長さで5.13aとか5.12dとか書かれてます。こいつはそこまでの傾斜も長さもないので、5.13はないのかも。第一関節ジャムとか、オフフィンガーとシンハンドの間のサイズとかで、ジャミングは難しそうですけど、どうでしょう?僕は多分登りませんけど、konさんが乗り気だったのできっとやってくれるでしょう。

○追記
帰りは石和のインド料理「マハラニ」で晩御飯。豆サラダとチキンティッカ。予想をはるかに超える量で、大満足でした。

2017年4月9日日曜日

カンテで切れるロープ

先日の岩掃除で、避けることは難しいのですが、フィックスしたロープがリップで擦れて、気が気ではなかったです。というのも、1週間ほど前に、カンテでロープが切れる映像を見てしまったからです。

Ground fall - Michele Caminati from UKClimbing.com on Vimeo.

UKのElder Statementというルートで、Michele Caminatiさんが撮影中にフォールし、カンテにロープを盛大に擦って、ロープが切断されました。

映像はUKCによってアップロードされ、UKCのウェブサイトにはその報告もあります。
https://www.ukclimbing.com/news/item/71015/elder_statesman_and_a_ground_fall_for_michele_caminati

これによると、Caminatiさんは、3月27日にルートを完登し、その翌日に撮影のために再度岩場を訪れ、撮影中にフォールしたそうです。その際にロープが切断されグラウンドフォール。シェフィールドの病院に搬送されました。手首と踵の骨折の様です。Caminatiさんのコメントの概要は以下の通りです。「メットなしの10mmシングルで登ったら落ちてもうた。ハーフロープで登った方が良かったのかもしれんけど、まあしゃあないね。」

Elder Statementは、Curb Edgeというエリアにあります。Curb Edgeは、Peak Districtの東部に位置し、600ものルート・課題がある大きなエリアです。
https://www.ukclimbing.com/logbook/crag.php?id=21#overview

だいたいこの辺です。



UKCによると、Elder Statementは、2004年にSteve McClure氏によって初登されました。
https://www.ukclimbing.com/logbook/c.php?i=250816

その後、James Pearsonさんが第三登しています。
https://www.ukclimbing.com/news/item/67875/james_pearson_-_elder_statesman_-_hxs_7a

こちらがその時の映像です。最近のボルダリングのW杯に出てくるコーディネーション系の課題みたいなクライミングです。

James Pearson makes the 3rd ascent of Elder Statesman, HXS 7a, Curbar Edge, Peak District UK from Wild Country on Vimeo.

Jame Pearsonさんの第三登を伝える上記UKCのウェブサイトによると、初登者のSteve McClure氏は、カンテでロープが切れるリスクを認識し、太いシングルロープ3本で登ったそうです。その際の映像がこちら。



なお、Elder StatementにはHXSというあまり聞かないグレードが与えられています。これも上記UKCのサイトに解説があります。HXSは現在ではEと表記され、E1、E2とと数字をつけて細分化されています。今でもリスクの測定が難しいルートに付されることがあるとのこと。

今回の事故を受けて、BMCは早速注意を喚起する情報を更新しています。それによると、(1)エッジの鋭さはさほど問題ではなく、ガタガタしたエッジと高い落下係数がヤバい、(2)エッジにを跨がない様にロープをマネージすることが大事、(3)物質量の多い(つまり、太くて重くて密度の高い)ロープが切れにくいそうです。ダブルはいいけど、両方クリップしないと意味ないと、とも。
https://www.thebmc.co.uk/rope-shear-could-happen-to-anyone

なお、こちらが今回の事故に対する初登者のコメントです。
みなさん、気をつけましょう。

フラットホワイト、まずはお掃除

久々の単独登攀の覚悟を決めた週末、甲府盆地は小雨が降ったり止んだり。渓谷には終始霧が立ち籠めていました。

それならばと、かねてより気になっていたモービーディックの左のフェースを見に行くことに。濡れ落ち葉のアプローチを慎重に歩いて、岩の上まで1時間。

あたりをつけてロープを投げて降りてみると、大外れ。ずいぶん左のほうに出てしまいました。せっかく降りたからと、左のほうもよく見ると、こっちはこっちでトラッド・ルートにならなくもなさそう。軽く掃除をしてみました。


既成ルートの終了点は遺跡になっていました。


折れたRCCボルトもあります。

で、本題のフェース。



下から見上げた浅いカンテ状がやはり核心部で、15m弱。抜けそうなカムが入らなくもなさそうなところが3箇所はあった様に思います。NPで登るか、ボルトを打つか、試されますね。NPだったら、「5.12 NP R 40m」ってとこでしょうか。


上から見下ろしたところ。下部のラインどりに悩みますが、オールNPで行くなら右のやさしそうなクラックから入るのがいいか。核心部でボルトを打ってしまうなら、下部は直下の5.11dの既成のスラブから繋げるのが良いか。

吉田さんに倣って、とりあえず名前(仮)だけつけときます。フラット・ホワイト。

2017年4月5日水曜日

シンクラックP day10

暖かくなったってことで、ちょっとだけシンクラックの様子見です。10日目。

岩の上の気温は10度。数日前の雪が残り、岩の正面はもう少し気温が低そうです。上部も下りも雪が積もり、危険。クラックの中を冷気が降りてきます。


しかし、気温が高いぶん体が動くので、助かりますね。

わからなくなっていた初手のムーブをあれこれ考え、ジャムをきめるコツを発見しました。目から鱗。減量の効果もあるようです。

10日間で紆余曲折がありましたが、結局、この渾身のデッドポイントによるジャムをねじ込むことができるかどうかが、ルート全体の成功の鍵になりそうです。

初手のムーブを確認し、手をつけていなかった上部のムーブを探ったら、石和のミスドで仕事をして、帰宅。次に繋がるひと時でした。

2017年4月3日月曜日

ロックビーンズ

朝の散歩で水が抜けたか、体重63.8kg。

軽い軽い。

また難しい課題が登れました。

これから始まる2ヶ月のシンクラックPのシーズン、引き続き気合を入れて取り組みましょう。

マコ岩

楽しみにしていた岩の予定が雪で潰れ、しょうがないので、前から気になっていた岩を見に行きました。

マコ岩です。

白丸の魚道から上に歩いて最初の沢の階段を上がります。岩はその沢の右上にあります。しかし、沢は途中から急峻で歩けなくなるので、左の間伐された杉林を上がります。グイグイ上がって、右の尾根を一つ越えて、最初の沢に復帰したら、上に岩がチラチラと見えてきます。


こちらがお目当の「彼の娘に狂って」5.12aです(多分)。なかなか立派な薄かぶりのフェースです。ただ、残念なことに節理はなくカムもナッツも受け付けてくれないように見えます。少なくとも下から見た限りは。上に回って懸垂下降で確認しないことには、最終的な判断はできません。

また今度。